「タクミセンパイ」切削工具改善コンテスト2022の賞金使い道

当ブログで度々紹介させていただいている切削工具の情報サイト「タクミセンパイ」で昨年実施された切削工具改善コンテスト、そこで大賞を受賞した際の賞金が実はまだ使っておりませんでした。

自由に使えるお金というものは逆に使いづらいですね(あれこれ悩んでしまうという意味で)。
そんな中ようやく購入したものがこちら

製品箱を置く台車×20台です!
工場内での製品の保管や移動などで、古い鉄製のものはたくさん使っておりますが、久しぶりに新品の台車となります。
耐荷重は約200㎏という事で、1箱重くても15~20㎏以下、縦に積んでも6~7箱なので十分な性能です。
長く使えるよう、大事にしていきたいと思います。

話は変わりまして今年も「切削工具改善コンテスト2023」と銘打ち、同様のコンテストを実施しておりました。
今年も工場長が応募しておりましたが、残念ながら受賞はできませんでした。
ですが、他社様の改善事例など、お互いに情報交換できることに意味があると思いますので、今後ともチェックしたいと思います。

この時期厄介なもの

金属加工をしていると必ず直面する問題があります。

「錆」です。

錆にも赤錆や白錆、黒錆、青錆等色々種類がありますが、弊社で大きく問題になるのが赤錆です。

上の写真、このバー材料は一見錆びていますが、よく見ると全体が黒く赤錆は薄く部分的です。

これはメーカーで材料を引き抜いた後、熱処理で発生した酸化被膜による「黒錆」と呼ばれるもので、こうした材料は「黒皮材」とも呼ばれます。

こうした材料は後工程で全体焼き入れの必要がないので、寸法変化を抑えたい精度の厳しい耐久性を求められる製品に使われることが多く、黒錆の表面は全て削ってしまうことが多いので錆の影響はありません。

問題は材料引き抜きメーカーからお納めいただく簡易的に油のついたバー材料や…

削った後に発生する「赤錆」が湿度の高いこの時期、トラブルが多いです。

弊社の複合旋盤は水溶性の切削油を使っており、水は社内の生成装置で作ったアルカリ性の水です。

弊社で生成したアルカリ性の水は添加剤中和前 pH12~13

添加剤投入後はpH8~9程度に中和し、切削油として使用しています。

酸性でもアルカリでもない中央値がpH7なので、若干アルカリ性ということです。

錆の原因である「酸化」

アルカリ性ということは酸化しない+切削油自体に防錆効果がある

という理由で、弊社では加工を終えた鉄製品はそのまま後工程に流すことが多いのですが…

この暑くて湿度の高い時期、錆びてしまいます。

加工後製品を入れる箱の汚れや、手汗、切削油が飛んだ肌の状態で放置してしまった等、様々な要因が考えられますが、中々特定に至っておりません。

ひとまずこの時期は錆を防止するのに、加工を終えた製品は洗浄後、防錆油につけるようにしています。

錆が出てしまった場合は…

紙ヤスリ・スコッチブライト・ゴム砥石で錆取りをしています。

発生源を突き止めればこうした手間もなくなるのですが、まだまだ検証が必要ですね。

引き続き錆問題と戦っていきます!

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以前に紹介したサイト「タクミセンパイ」でキャンペーン実施中です!

昨年、当ブログでご紹介した切削加工に関するサイト「タクミセンパイ」でTwitterフォロワー2000人達成の記念品としてステッカー(マグネットシート)プレゼントのキャンペーンを実施しております。
https://takumi-senpai.com/event/2nd-anniversary-and-twitter-2000-followers/
この話を教えてくれた弊社工場長は、「タクミセンパイ」初期から運営者様とやり取りさせていただいており、このキャンペーンとは別にマグネットシートを手に入れておりました。

サイトを読み進めると、これらのステッカーは千葉県館山市にある「安房神社」にてお祈りをしてきたものだそうです。(詳細は上記URLを参照ください)


この記事を読んでいただいた方々も、是非応募してみてください。(先着順です!)
Twitterにも面白い内容がありますので、よろしければフォローお願いします^^

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タクミセンパイ切削工具改善コンテスト2022の取材記事が公開されました

タクミセンパイの記事から抜粋

2022/9/29 切削工具改善コンテスト2022で大賞に表彰いただいたことを当ブログでご報告いたしました。

当日に取材いただいた記事が公開されましたので、ご紹介します!

詳細はこちら→ 武井製作所:切削工具改善コンテスト受賞者インタビュー

使用工具や加工条件の詳細等、大変わかりやすくまとめていただきました!

このご時世、あらゆるモノの使い勝手や感想、レビューが見切れないほど溢れていますが、切削工具の実践的なレビューを公開しているサイトは中々ないので是非ご覧ください。

金属加工業の発展に繋がる有益な情報提供ができるよう、弊社も努力してまいります!

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タクミセンパイ切削工具改善コンテスト2022の大賞に表彰いただきました

先日当ブログでご紹介させていただいた切削工具及び切削加工業界の情報発信サイト「タクミセンパイ」に弊社が切削工具改善コンテストに改善事例を応募させていただいたたところ、嬉しいことに「タクミセンパイ大賞」を受賞しました!

https://takumi-senpai.com/blog/cutting-tool-contest-2022-result/

切削工具改善コンテスト2022の詳細は上記になります。

改善事例はわかりやすくまとめていただいておりますので、是非加工に携わる方々の参考にしていただければと思います!

今日はタクミセンパイの運営ご担当者様が、弊社へのインタビュー記事作成と撮影、及び表彰の為に訪問してくださいました!

左から工場長、製造一部二課リーダー、タクミセンパイ運営ご担当者様

いただいた貴重な賞金は、次の改善のタネとして成果を出せるよう有効活用させていただきます!

あらゆる情報があふれている昨今ですが、こうした切削加工に関するリアルな数字を基にした情報発信サイトはまだまだ少ないので、今後も弊社の取り組みを積極的に提供していきたいと思います。

「タクミセンパイ」の更なる発展に期待しております!

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CAD/CAMで複合旋盤を動かす

マシニングセンタ 略してMCの世界では当たり前のように運用されているCAD/CAMですが、旋盤加工ではほぼ使われていません。

今回工場長が組んだCAD/CAMのシュミレーション画面

理由として、旋盤加工は旋削がメインである以上、シュミレーションするぐらいなら直接プログラムを打ち込んで機械を回しながら調整したほうが早いからということです。

しかし昨今は、NC旋盤にMCのようにミーリング機能がついたNC複合旋盤が主流。

回転工具を細かく制御できることが可能になりフライスや面取り、複雑な溝入れから文字入れまで旋盤の中で完結できるようになりました。

しかし、複雑な加工をするにはそれ相応のプログラムを組まなければならず、場合によっては数値の打ち込みミス等でターレットをぶつけたり、工具を破損してしまったりリスクも伴います。

何事も挑戦!ということで、ある加工依頼をいただいた製品を、CAD/CAMの勉強を熱心にしていた工場長がCAD/CAMのシュミレーションから実際の加工までやってみた事例ができたのでご紹介します。

シュミレーションと実際に加工した比較写真

CAD/CAMによるシュミレーションと実際の加工比較

シュミレーションでできたプログラムを機械に取り込めば、機械はそのままトレースして動くので再現性が非常に高いことがわかります。

下の比較画像は端面の形状がただの円弧でないことがわかりますが、頭で考えて削り、面取りまでのプログラムを組むのは大変ですが、今回はCAD/CAMでできたプログラムで加工を実施、無事にうまくいきました。

大変きれに削れていますね!
横穴の面取りでツールが当たらないギリギリの位置もシュミレーションして確認

上の画像のように、スピンドルやワークに刃があたらないギリギリの位置を、実際のワークではなくCGでシュミレーションできるのも大きな利点といえます。…ぶつけてからでは遅いですからね!

今回はCAD/CAMを複合旋盤で使うメリット、利点をとても感じられた事例でした。

もっと複雑なものはシュミレーションも相応の苦労がありますが、弊社にとっては大きな前進、財産となりました。

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切削液をアルカリイオン水へ交換の続き

切削液の存在は、機械加工において欠かせないものであります。

主に刃物と被削対象の摩擦/切削抵抗の軽減、そして冷却作用と構成刃先などの溶着防止です。

弊社では以前の記事でご紹介しましたが、切削油をアルカリイオン水への置き換え推進中です。

2017年11月から交換を進めていますが、2年半ちかく経った今でも交換の進捗は全体の約2割。

設備1台あたり、洗浄に約4日ちかくかかることから、日々の生産の兼ね合いで設備を止めるわけにもいかず、中々交換作業が捗らなかったのが現実です。

最近は同業他社様も同じような状況ですが、コロナ禍で操業度が大きく下がっているのでこのタイミングで2台同時に入れ替えするなど、積極的にアルカリイオン水への置き換えを進めています(^^)

他部署からの応援もあり、早ければ3日で終わるなど大分交換作業も上手になってきたように思えます。

水溶性の切削油からアルカリイオン水へ置き換えることで、手荒れの改善や水の腐食による異臭の撲滅、オイルミストの軽減など付加価値はたくさんあります。

お客様からメリットや感想を聞かれるなど、ここ1年で非常に興味を持っていただいているので、アルカリイオン水を導入したひとつのモデルケースとしてアピールできるよう、引き続き交換を進めてまいります。

 

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切削液をアルカリイオン水へ交換推進中です

弊社が使用しているNC旋盤の大部分は水溶性切削油ですが、2017年11月に強アルカリイオン水の生成装置を導入後、少しずつですが切削油をアルカリイオン水へ交換しております(^^)

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数年物の油汚れは相当手ごわく、設備一台の洗浄はほぼ一週間を要します。

当然、その間は設備を動かせないことからなんとか一週間稼働を止めても大丈夫なようにできる限り前倒しで生産をしたり、応援を要請して他の設備に割り振ったり準備にも大変な労力を要しているのが現実です。

蓋を開ければ至る所に固着した油が(^^;)

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高圧洗浄機やスチームクリーナー、ナイロンブラシ等でとことん汚れを落としていきます…地道にやるしかありません。

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洗浄後の写真です(^^)こうして見るだけでも洗浄前とは比較にならないほどキレイです。

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勿論機械内部も!ここまで徹底して汚れを落とさなければ、せっかくアルカリイオン水へ置き換えをしても不純物が後から混ざると本来の性能を発揮しないとのことです。

弊社は今後もアルカリイオン水への置き換えを推進して良いモデルケースとなれればと考えております。

また交換の実績ができましたら当ブログで記事をあげさせていただきます(^^)

 

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曲面への文字入れ加工

2018年曲面ミーリング加工

あるお客様より、変わった依頼をいただきました。

「棒材の曲面に文字を入れてもらえないでしょうか」

この文字入れ、一般的に刻印とも呼称されますが一昔前の刻印といえば、打刻機と呼ばれる機械で行っていました。

時代が変わり、現在はNC加工機が複雑な動きをできるようになったことで、ワークを固定して回転した刃物を動かして文字を掘ることが可能になりました。所謂、ミーリング加工です。

弊社は今まで、平面への文字入れはミーリングで行っておりましたが、曲面への文字入れは初挑戦でした。

製造オペレーターの頑張りにより、トライの結果一定の深さでの文字入れに成功しました(^^)

今後同様のお話しがあった時は、この経験を生かしていきたいと思います。

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強アルカリイオン水生成装置を設置しました

先日当ブログで物置小屋を設置したと紹介しましたが、肝心な中身の装置をようやく設置することができました(^^)

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中身は強アルカリイオン水の生成装置です!

最近ではホームセンターやドラッグストア等で、洗剤を使いたくないところの洗浄という用途でアルカリオン水を扱っているお店が増えました。

今回の装置導入、弊社では切削液を置き換える目的で導入しました。

どんな効果があるかというと…

切削液の水質がアルカリ性になることで酸化が解消され、腐敗による悪臭が消滅。
加工機が清潔になり、加工品が切削と同時に洗浄されるので二次加工の手間が改善。
切削水が刃先まで浸透することで切削性が良くなった。
切削油が安定したエマルジョン状態を保ち、油の分離が少なくなった。

いいことだらけなようなので、効果に期待したいところです。

テスト運用として、手始めにNC加工機1台、停止研磨1台の切削液を置き換えました。

以前の切削液が残っていると本来の性能を発揮できないとのことで、徹底的に洗浄をする必要があります。

バラせるところはとことんバラして洗浄をするので非常に時間がかかりました(^^;)

これから順次置き換えをしていく予定なので、実際に導入した感想はまたご報告できればと考えています。

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装置本体ですが、鮮やかに光るLEDのロゴがかっこいいです(笑)

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New!新HP 複合旋盤加工.comの運営を開始しました!

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